じいちゃん

6月7日水曜0時過ぎ、じいちゃんが亡くなった。

生きてる時、最後に会ったのは日曜だったか。寝ていたら母から電話が来て、呼吸が止まったけど来なくてもいいよと。もう一度寝た。そしてなぜだか起きてスマホを確認したら、数分前に亡くなったとLINEがあった。すぐに支度をして病院に向かった。着くとちょうど葬儀屋の車に乗せられるところだった。どうして電話が来た時に病院に向かわなかったのか。

 

その日から金曜まで仕事を休んだ。

 

金曜が通夜で、土曜が告別式だった。

家には親戚や村の人たちが順番に来ていった。鷲津さんのじいちゃんが約束していたという絵をくれた。いい絵だった。かっちゃんのばあちゃんはとても悲しそうに泣いていた。どちらも村の同級生だ。

 

おれはというと風邪をひいていた。打っている今声がほとんどでなくてまた仕事を休んだ。

 

告別式では叔父さんが予定になかった弔辞を読んだ。撮影していて泣いた。

 

じいちゃんを思い出すと、いつも優しい目をして笑っている。

今でもはっきりじいちゃんの声として再生される。あの声がもう聞けないなんて。寂しすぎる。

 

昔の写真を見る。じいちゃんのことをおれは29年前からしか知らない。どんな半生を、どんな気持ちで過ごしてきたのだろう。あの人の生き方は名前の通り、「誠」な生き方だったんだと思う。おれはそんなふうに生きていけるのか。

 

もう実家に帰ってもじいちゃんはいない。

でも、「頑張れ」って言っている気がする。

じいちゃんに顔向けできる生き方をする。

 

じいちゃんゆっくり休んで、好きなことしてくれ。そっちでも畑やるんかい。ばあちゃんと仲良くね。ご両親や兄弟には会えるかな。ずっと忘れない。この世で一番好きな人。